2018年03月19日

松本タイポグラフィ研究会「第1回 おいしい文字のチカラ」

地元長野県でタイトルにある講座が開かれると聞き、
まっさきに飛びつき申し込んだらまさかの親戚の法事とバッティング。
塩尻で法事が行われるので松本ならそんなに遠くないと思うも
時間どおりに事が進むでもなく、結局会場到着は開始から1時間後でした(^_^;

会場である、松本市の商工会議所の会議室に入ると
座席はほぼ満席。およそ90人の方が申し込まれていたそうです。

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今回の申込みをした際に主催者の方とも何度かメールをさせていただき、
地元でこのようなイベントが開かれること、同業の方も今後集まれる勉強会など、
SNSでの宣伝など自分も何かお手伝いができればと先日都内で行われたDTPの勉強会で
第1回の募集チラシを持って行きましたがその時点ですでに定員を超えていたそうです。
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今回の講師をつとめるのは、「文字の食卓」主催の正木香子さん。
勉強会繋がりのSNSでも以前から話題にされていたので、
自分も著書を1冊購入しておりましたが実際にお会いできるのは今回が初めてでしたので
どのような文字への捉え方をするのか聞きたかったことでしたので楽しみの講座でした。
(なのに1時間の大遅刻が本当に悔やまれて悔やまれて…仕方無いんですけど^^;)

座席にはすでに大量の資料が置かれていて、
正木さんのお話を聞きながら資料に目を通していきました。
最初の部分も今回参加された方がツイートをあげてくださったお陰で
遅れた分を取り戻せたことは本当に感謝です。

コーヒーと恋愛

参加できたところからではありますが、
獅子文六著の「可否堂/コーヒーと恋愛」の新潮社1963年版とちくま文庫2013年版との比較。
前者は岩田明朝体、後者はリュウミンといった具合に
段組も当時の流行であった2段組とだいぶ様子が違います。

コーヒーと恋愛 (ちくま文庫) -


コーヒーと恋愛 (ちくま文庫) -

東京 - サニーデイ・サービス
東京 - サニーデイ・サービス

こちらの表紙とジャケットが同じであることも触れていて、
サニーデイ・サービスの「東京」に小説と同タイトルの「コーヒーと恋愛」が収録されていることで
後に復刻されたちくま文庫版では曽我部恵一さんがあとがきを担当されているそうです。
東京でジャケットをデザインされた方が表紙の装丁をされているなど
こういうエピソードも小説を通じて出会えることを聞いていても素敵だなと思いました。

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活字から写真植字(写植)への時代へ。
筑紫体後期五号を作り、創業者は現在放送中の大河ドラマ「西郷どん」と同じ時代を生きた方で
大河ドラマを見ながら創業者の方が生きた時代を感じるという楽しみ方をしている話や、
1960年代に「タイポス」の、本分組で使われることはとんでもないと言われていた中、
1981年「窓際のトットちゃん」がタイポスで組まれてベストセラーに。
その後、タイポスはマンガでもモノローグでも用いられるようになったということでした。

また、活字は1つの書体を管理するだけでも本文を組むだけでも同じ文字をいくつも管理すること、
それに比べると写植は文字を写真の様に引き延ばしたり自由度が増し、
さらに管理のしやすさも活字に比べてスペースを取らないということで写植の時代が来たのそうです。

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そして次に淡古印(たんこいん)の話へ。
こちらは現在ではホラー書体としてすっかり有名になっており、
元々は字が現すとおり古い印章をイメージした書体です。
使われ始めた当時はチョコレートの広告や、現在でも鹿児島の和菓子屋「蒸気屋」さんでも使われていると紹介されていました。

ではなぜ現在はホラー書体で使われるようになったのか?
スライドで出てきたのはドラゴンボールの第1回めの連載。
集英社では年に1枚ずつ写植の文字を増やしていくのが通例で
ちょうどこの年代に連載開始されたドラゴンボールで使われるようになったということでした。
語りの文字は淡古印で、序盤と終盤で用いられていたと言われて見るとそうだったなと思い出しました。
そしていよいよ台詞で登場するのはピッコロ大魔王だったのだとか。
「ポコペンポコペンダーレガツツイタ」と言いながら卵を産むシーンですね(^_^;
編集者がこの書体を選んだのが偶然なのか雰囲気を上手く取り入れたのか、
ここから今のホラー書体としてのイメージが付いていったというのが大変興味深いです。
そしてテレビでは「世にも奇妙な物語」で淡古印をイメージしたようなタイトル、
それが流行りだしてから1970年代から始まっていた夏休み特集「あなたの知らない世界」でも
1990年代には淡古印が番組のタイトルで使われるようになったとのこと。
そしてすっかりホラー=淡古印のイメージが定着していったのだとか。

後半 ワークショップ
前半が終わり休憩の前に願い事を提出。
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その提出された願い事を元に、資料で配布されたおしながきより1番から50番までの書体見本
(こちらには書体名が一切記載されていないものでした)に
正木さんと最前列にいたデザイナーの日下潤一がそれぞれのイメージに合った書体を選ぶという
ワークショップが行われました。結果は以下の通り。
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願い事を選んだ方へのお二人からのその願い事に込めたイメージをヒアリング、
そして実際にその文字を選び、会場にどちらがイメージに合っているかを挙手をしてもらい
お互い選んだ書体への感想や思いなど会場で笑いが出るくらいに大盛り上がりのセッションになりました。
練乳っぽい書体というのが個人的にツボでした(笑)

最後に次回の講師を務める鳥海修さんが塾長をされている文字塾の生徒の方による
自作フォントの制作発表もあり楽しい時間があっという間に終わりました。

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次回は7月28日(土)に開催されます。
松本タイポグラフィ研究会Twitter


今回地元でこのような勉強できる機会を作っていただいた松本タイポグラフィ研究会の皆様には大変感謝いたします。
自分も来月行われる、さいたまデザインDTP勉強会松本サテライト会場でお手伝いさせていただくことになりました。
今後も自分の仕事で得た知識などがこういうことでお手伝いできたらと思います。
posted by zawatch at 23:44| Comment(0) | DTP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする